小児形成外科では、副耳、耳瘻孔、多指症、あざ(母斑)、先天性眼瞼下垂といった先天性疾患と外傷を中心に診療を行っています。
軽微な外傷の縫合や応急的な切開排膿術を除き、小児は安静が困難なことから、手術は全身麻酔が基本となります。当院では全身麻酔の実施は難しいため、必要な場合は提携の専門施設へ紹介させて頂きます。
手術が必要かどうか、どのような手術を行うか、術後の経過はどうなるのか、など、わからないことはいつでも気軽にご相談ください。

副耳

耳の前や頬にイボ状の突起が生下時から認められます。片側の耳前部に1個だけ存在することがほとんどですが、時には両側に存在する場合や複数個存在する場合があります。
多くの場合は見た目の問題のみで、機能的な問題は生じないので手術を急ぐ必要はありませんが、1歳以降の早期に切除を希望されるご家庭が多い印象です。

先天性耳瘻孔

「症状がなければ治療は不要」と説明されて放置されている症例がたびたび見受けられますが、その結果、感染を生じてつらい思いをされるお子様を非常に多く診察してきました。感染症のリスクについては皮膚・軟部組織感染症への対応の項目を参照してください。

あざ

あざは、皮膚内のメラニン色素や毛細血管が増加することで生じます。生まれたときから存在する場合もあれば、後になって現れることもあります。あざには、青色、赤色、茶色、黒色、白色などさまざまな種類があります。蒙古斑(おしりに現れる青いあざ)のように、成長とともに自然に消えるものもあれば、治療が必要なものや、思春期以降に色が濃くなるタイプもあります。また、場合によっては別の病気の兆候の可能性もあります。
疾患によっては当院でレーザー治療を行うことも可能です。まずはご相談ください。

先天性眼瞼下垂

出生直後から見られる眼瞼下垂で、上まぶた(眼瞼)が下がっている状態です。片側の目に発症するケース(片眼性)が多いですが、両側の目に出る場合(両眼性)もあります。
原因の多くは、上眼瞼挙筋(まぶたを上げる筋肉)の形成不全です。
軽症で、瞳孔に十分に光が入る状態であれば、経過観察した上で学童期に手術治療を行うことが一般的です。重度の場合は視力の発達障害や斜視の原因となるため、早期に手術を行います。手術適応の判断については眼科医との連携が必要となります。